トゥールマンショー
トゥールマンショーという映画をご存じの方もいらっしゃるでしょう。
離島に住み、24時間何十年も監視カメラに取り囲まれ、すべて作り物の環境で、彼の生活と人生がテレビ番組として放送されていました。
空も海も星も作り物、街ゆく人もキャストで妻も仕事として妻をしていた。愛情はなかった。
主人公のトゥルーマンも学生時代に出会った女性をずっと心に留め愛していたからお互いに冷えていた。
母親もこの番組の協力者。
離島から出たことのない主人公。
彼のお決まりの挨拶は
「おはよう、そしてこれから会えない時のためにこんちは。今晩は。おやすみなさい。」
彼はあるきっかけから全て作り物だと真実を知る。
虚構の世界に生きていると教えてくれた心の中でずっと思い続けている女性を探し出すため、虚構の世界を抜け出す決意をする。
彼女はフィジー島にいるらしい。
書き割りの空の端にあった出口にたどり着いたとき、この番組の制作者と対峙する。
彼は例の挨拶、
おはよう、こんにちは、会えないときのために今晩は、おやすみなさいを一礼して最後の言葉とし、
出口の扉を開けて恋人を探すため外の世界に出ていく。
これで二十四時間何十年も続いたトゥールマンショーの番組は終了となった。
視聴者は、彼が出ていく選択をしたことに大喜びだった。
視聴者が次に見る番組を探すためチャンネルを変える場面で終わる。
これは映画です。
彼は何十年の監視カメラ生活を抜け出し、制作者は負け、トゥールマンショーは終了した。
彼が虚構の世界を抜け出したことを喜んだ視聴者。
視聴者は、面白い刺激になる次のテレビ番組を常に探している。これだけは真実でしょう。
でもこの映画で視聴者は彼が脱出することを喜んだ。
映画は時々、人間の無意識の方向性を描いています。